君に捧げる花束を
「新学期になってからすぐ体育祭だもんなー。めんどくせー!」
「そうなの?私は楽しみだなぁ!」
「芦屋さんすげー運動できなそう!」
けらけらと坂田君がいたずらっぽい笑みでからかってくる。
「…か、返す言葉もございません。」
坂田君の笑顔って屈託なくて、嫌味なことを言ってるのに全然、むかつかないのが不思議だ。
……それに、運動できないのはバレーの授業で証明済なので、反論したいのにできない…。
その時、坂田君が机の上に腕を置き、その上に顎を載せると、興味津々で清花を見上げてきた。
「てかさー、なんで好きになったの?」
「え…?」
「や、ゆいてぃーのことだよ。顔は良いけど、ちょー冷たいじゃん。」
ちょっと声をひそめて、にやっと口角を上げる。
「それ俺も聞きたい。」
と、隣に座ったのは、思いがけない人物だった。