君に捧げる花束を
「ええっ!」
「お、すーさん!」
弓道の大会で案内してくれた、鈴村君だった。
「部活はいいの?」
「昼休みに集まって、今日はそれで終わり。」
なんですとっ。
函南君、帰りに誘えばよかった。
てか、まりあが帰りに誘った相手って、町田君じゃないの!?
私にも教えてくれれば良かったのにー!
「芦屋さん、体調不良だったんだって?大丈夫?」
鈴村君が、本当に心配そうに聞いてくれた。
そういえば、弓道の大会で迷惑をかけてしまったのに、まだ謝っていない。
「大丈夫だよ!……鈴村君、こないだは色々とごめんね!それと、案内してくれてありがとう!」
謝ると鈴村君が僅かに目を大きくした。それからちょっと慌てた様子で、静かな声で言った。
「大丈夫、芦屋さんは悪くないから。こちらこそなんかごめん。」
「えー?なんかあったの?」