君に捧げる花束を
「何してんの。」
淡々とした、静かな声。
「あ…。」
「いてっ!」
突然、坂田君のふわふわの天パが大きな手のひらの下で、無残に潰れる。
「ちゃかた…。玲生まで、何やってんだよ。」
静かだけど、怪しい光をその瞳に宿して。
微かに浮かべる黒笑に、清花の心臓はときめきと動揺を同時に感じて、どくんと波打つ。
清花の生存本能が警報となって、頭の中で鳴り響く。
あの目は…危険だ…!
しかし、それをわかっているのか、わかっていないのか、頭を潰されながらも、坂田君は笑顔で函南君を肘でつつく。
「芦屋さんにさー、ゆいてぃーのどこが好きなのかなーって聞いてたところー」
「はあ?」
函南君が呆れたように、瞳をすっと細めた。
「ゆいてぃーこんななのに、芦屋さん頑張るからさー。なんでこんなに唯人が好きなのかなーって、気になるし?」
あのね、坂田君。
私が振られんぼみたいな言い方しないでいただきたい。
いや、実際そうなんだけども!涙
あんまり何回も繰り返し言われると、やっぱり悲しい。