君に捧げる花束を



ホームにまた電車が到着した。


函南君はすっと立ち上がると、電車に向かう。


清花も慌てて電車に乗り込むが、函南君はなぜかホームに立ち止まったままだ。




「俺は、ちょっと用事ができた。




じゃあね。」








「う、うん!またね!」








函南君は最後まで清香を見ることなく、くるりと向こう側を向いてしまう。





けれど、





ドアが音を立てて閉まる寸前…




声にならないほどの小さい声が、清花の耳に届いた。








「ありがとう。」







48日目ーーー。





君の本音を、怖がらずに私に聞かせてください。



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