君に捧げる花束を
清花が実践して見せると、美乃莉ちゃんがほえっと声を上げる。
「え、きーちゃん上手くね…?」
「芦屋さんダンス習ってたらしいよ!」
坂田君の言葉に美乃莉ちゃんが目を輝かせる。
「え、すご!!だって慣れてるっていうか上手いもん!」
褒められて、嬉しくて頬に熱が集まる。口元がにやけてしまい、隠すために慌てて手を当てた。
「あ、ありがとー…」
「きーちゃん照れてるー。」
佳織ちゃんがからかいながら、歯を見せて微笑んだ。
「あーっ!つっかれたぁー!」
西川君があ”ーーーっと声を上げて腰をポキポキ鳴らした。
「疲れたねー!」
清花が溜息とともに軽く咳をした。
「でも、だいぶみんな上手くなったよねー!」
「あー、ポジションまでの移動が速くなったよなー。」
西川君が野球部のせいなのか、ポジションという言い方とか、走り方とか、
ピッチャーの塁移動に聞こえて仕方ない。
「けど、まだちょっと遅れてたりするし、アウトだろーなー。」
……やっぱり、無意識の内に野球に傾いていってませんか、西川君。