君に捧げる花束を
ぎょっとして清花は鈴村君をガン見した。
それを見て鈴村君は困ったようにため息をつく。
見開かれた視界の端に、西川君が清花と全く同じ表情をしているのが見えた。
「芦屋さんて、本当に鈍感だよね。」
そう言ってから、鈴村君は再び深いため息をついた。
今思えば、お互いそんなに関わりはないけど、その割には距離が近い時があるな、とは思ったことがある。
しかし、清花は函南君しか見えていなかったし、好かれているという認識はなかったし、深く考えたことがなかった。
全く気が付かなかった。
突然の暴露に西川君は細い目を極限まで見開き、驚愕の表情で、鈴村君に囁いた。
「え、まじで。」
「そーだよ。」