君に捧げる花束を





西川君はようやく、顔面の硬直を解き、感慨深そうにほうっと息を吐いた。




「………そうか…お前も叶わない恋に苦しんでるんだな。」





うんうんとひとり意味深に頷く西川君。





「俺も片想い中だからわかる。お前はいいほうだよ。…



…俺なんて声も掛けられてないんだぜ。」





「………そうなの。そっちも大変だね。」




「お互いがんばろーぜ。片想いの同士よ。」





がしっと手を汲む、西川君と鈴村君。




「二人って、そんなに仲良かったっけ?」



清花が尋ねると、二人が真顔で振り向く。



「いや。全然。」





「ってか、あんた誰。」






訝しげな表情をしながらも鈴村君は繋がれた手を振り払いはしなかった。









奇妙な友情が結ばれたようです。




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