君に捧げる花束を
帰りの時間になり、清花もカバンに教科書やらペンケースやらを詰め始めた。
と、その時、バターンと物凄い音を立てて野風が教室に入ってきた。
「ねー、転校生来るんだってよ!しかも百合女の!」
百合女…
正式名称は百合ケ丘女学院…。
かなりのお嬢様学校だ。
政治家の娘のような子が通うと聞いたことがある。
それ以外でもどこかで、何か記憶に引っかかる気が…。
「しかもくっそ美人!すごいいい匂いしそう。」
野風は可愛い女の子が好きだもんね…。
でも言ってる台詞はまるでおっさんである…。
「へぇ、見たんだ?」
「へへぇっ、職員室にいたの覗き見しちゃった!」
美乃莉ちゃんが野風の後ろからひょこっと顔を覗かせた。
この二人、なんだかんだで仲いいなぁ。