君に捧げる花束を
この日から、清花はできるだけ毎日、帰りに函南君を誘うようになった。
たまに断られることはあったけど、もうほとんど三年生は引退らしくて練習自体にはあまり参加してないみたい。
相変わらず無口な函南君とは会話は盛り上がったりはしないけど、前よりは打ち解けてくれたのかな…と思う。
隣で歩いているほのかな幸せをこっそり噛み締めていた。
そんな新緑の芽吹き始めた五月末の日曜日ー。
まりあから誘われて、野風と美乃莉ちゃんも一緒に引退式も見に行った。
函南君に行っていいか聞いてみると、少し眉をひそめたものの、頷いてくれた。
もちろん、まりあは町田君目当て。
町田君の許可をもらったみたいで、すごく嬉しそうにしていた。
美乃莉ちゃんは久しぶりに会った部員達と、楽しげにおしゃべりしている。