君に捧げる花束を
そう。どんな冷たい言葉を吐かれても、それは予想の範疇内だ。それ程、函南君にとってデリケートな問題に、首を突っ込んでいるんだから。
「口に出して言わないと、いつまで経っても伝わらないよ!」
「…………うるせぇ。」
わかってる。わかってるけど、やっぱり好きな人に、突き放されるのは辛いわけない。
でも、引き下がるわけにはいかない。
「会社の前に、家族でしょう?
この前、お父さんだって引退の時に見に来てくれたじゃない!
そんな人が函南君を拒絶なんて、しないから!
きっと、話を聞いてくれるよ!」
「……うるせぇよ。」
清花の訴えに、顔をそむけるようにして、函南君は前髪でさらりとその瞳を隠してしまった。
頑なな函南君に、つい声も大きくなってしまう。
「自分の心から目を背けないで!
俺は自分の思うようには生きられないなんて、
そんなさみしいこと言わないで!」
「黙れっつってんだろ!」