君に捧げる花束を
美乃莉ちゃんと渚波ちゃんがきゃーっと声をあげてはしゃいで。佳織ちゃんがなんともいえない視線でそれを眺めている。
いつもこの二人を側で眺めているんだろうな…佳織ちゃん。
「あ、ドラマが始まるー。てことでばいばーい。」
唐突に野風は立ち上がると、こちらが声をかけるまもなく、あっという間に去っていった。
野風って、なんていうんだろう、別れ際のやりとりがあっけなさすぎるんだよね。
さっぱりしてて、付き合いやすいんだけど…。
この気まぐれさは、何年一緒にいても理解できない。
美乃莉ちゃん達、ぼーぜんとしてるし。