君に捧げる花束を
授業が終わって、教室へ帰る途中、校庭から男子がサッカーしているのが見えた。
清花の函南君レーダー探知機が素早く函南君を見つけた。
サッカー部でもないのに…。
とっても上手!!
あ、ゴール決めた!
「わあっ!!すごーい!」
思わず口から飛び出た歓声が聞こえてしまったのか、男子の何人かがこちらを見た。
坂田君もサッカーをやっていて、私に気がついたらしく、函南君の背中をべしりとひっぱたいた。
函南君は、じろりと坂田君を睨みつけた後、ややあってその視線が私の姿を捕らえた。
しかしすぐに逸らされてしまって、少し残念だった。