君に捧げる花束を




「……。」







無言で次のきんぴらごぼうに箸を進める。



人参とキャベツの野菜炒め。



その次に、ベーコンのアスパラ巻き。



黒ゴマのかかった、玄米ご飯…






さすが男の子。





ペースが速い。





3分の1くらい食べたところで、ふいに函南君が清花の方を向いた。涼しげな黒い瞳が髪の毛の間から覗いていて…同い年とは思えないほど、色っぽい。

ぽかーんと見惚れていると、





「……芦屋さんは食べないの?」





怪訝そうな声をかけられて、現実に引き戻される。




「えっ!?あ…」



函南君をガン見するのに夢中で忘れていた!




「い、いただきます!」



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