君に捧げる花束を
「…考えてませんでした……。」
真っ赤になってうつむくと、函南君の低い声が頭上から降ってくる。
「そんなに俺を落としたいの?」
思いがけず冷たい言葉にびくっとしながらも、違うという思いを込めて首を振った。
「落としたいっていうか…喜んで欲しくて。」
そりゃあ、好きになってくれたら嬉しいけど。
それよりも、私は君の喜ぶ顔が見たいんだ。
「ふうん。」
そういったきり、ポーカーフェイスを崩さないまま、再びお弁当に取りかかり始めた。
「ごちそうさま。」
帰ってきたのは、空のお弁当箱。
わあ……。だめだ。私…。
「…なんなの。その顔。」
緩みすぎて自分でも口元がデレデレになっているのがわかる。
「あ!あの、味大丈夫だった?」
まずかったらどうしよ!!