君に捧げる花束を
悩んでいる時だって楽しいのです!
清花は毎日学校で、できるだけたくさん、函南君に話しかけるようにした。
学校に着いて、おはようって言って、
お昼は…あのお弁当の事もあって、誘うのは勇気が出ず、やめておいた。
時々だけど、授業が始まるほんの少しのあいだの昼休みも。ほとんど一方的だけどおしゃべりした。
函南君の発する言葉たいてい、ふうん、あっそう、へえ、うん。あと、たまにうるせー。
毎日、何かしら違う君を見つけるんだ。
性格は、告白の時にもちょっと思ったけど、Sっ気が混じってるみたいで。
たまにすっごく不敵な笑みを見せるんだ。
それがもう色っぽくて、怪しげで。
いつもノックアウトされてしまう。
それと、案外照れ屋。
ポーカーフェイスの仮面を被っていて、きっとそれが氷の王子なんて呼ばれる原因なんだろうけど、実際はそんな無感情な人じゃない。
わかりにくいけど、気に入らなかったら、眉を寄せたり。楽しかったりすると、僅かに口角をあげて微笑んでいる。
それと、本当に優しい人。
ある時、ずっと咳が止まらなかった時、函南君がさりげなく机にのど飴を置いてくれたり、
たまたま登校中に見かけた時、電車の中で目の前に妊婦さんが立っていて、どうぞも言わずにすっと立ち上がっていた。
学校のある駅までまだまだなのに。