君に捧げる花束を
「うーーー。どうすればいいんだろー。」
「うるさ。」
お弁当の時間。
例のごとく、パイナップルを食べながら、清花は唸り続けていた。野風がそれを鬱陶しそうに見ていて、まりあも苦笑いしながら、眺めている。
「がんばれ、きーちゃん!」
「ショッピングなら、うちも手伝うよ!」
美乃莉ちゃん、渚波ちゃん、佳織ちゃん三人組も最近、一緒にいることが多い。
函南君を好きなライバル同士だったはずなのに不思議だ。
今ではすっかりあだ名(美乃莉ちゃんが勝手に付けた)で呼び合うようになっている。
「弟以外の男の子にプレゼントあげたことないよー…何あげればいいかわからないよー…」
「それじゃ、弟にあげたものをあげればいいじゃん。」
まりあはアスパラベーコンを品よく口に運びながらさらっと言うけど。
「ハルと函南君が同じ趣味とは限らないしさぁ… 」
そのやりとりを静かに見ていた野風が唐突に口を開いた。
「あたしは酢イカの詰まったでっかいプラスチックのやつがほしい。」
誰も野風の欲しいものなんて聞いてません。
もはや君は協力する気なんてさらさらないのでしょう。