君に捧げる花束を






「芦屋さんて勇気あるよねー」




「もうすぐお昼ですけどー?」




一瞬間を置いて、クラスメイトの笑い声があちこちから聞こえた。




野風が私の告白の件を馬鹿でかい声でいいやがった日から私はクラスメイトから、妙に生暖かい目で見られている。




てか、皆に混じって函南君、笑ってるし!!





やっぱ聞こえてたんでしょー!!






……ああ、私。






函南君のこんな笑顔初めて見たよ。




いつもの冷たい印象を与える無表情が和らいで、日なたみたいな柔らかい笑顔。

ちらっと除く八重歯が見えて、胸きゅんが止まりません…





『ばーか。』






口ぱくで、君はそう言った。






十九日目ーー。






君の笑顔が見られるなら、私はいくらでもばかになるよ。



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