君に捧げる花束を
「別に。欲しい物とかない。」
「な、ないの?」
「欲しい物はたいてい、手に入るし。」
何そのお金持ち発言…。
「そう、家が金持ち。」
あれ、私今声に出したっけ…?
「声に出てた。」
ウソでしょ…
やっぱりサプライズなんていうものは、私には一生無理な気がしてきた。
函南君の家、お金持ちなのかぁ。
確かに口は悪いけど、隠しきれない品の良さが出てるもん。
でも、なんでも手に入るっていうけど、それは売っていたらの話でしょ?
「じゃあ、世界でひとつしかない物をあげよう!」
私からしかあげられないものを。