俺と君
君との出会い
眩しい朝の光が俺にはやく起きろと言わんばかりにカーテンの隙間から顔を差してくる。
おはよう…。

とうとうこの日が来た。俺は今日から高校生。まだダボダボでしっくりしない制服。カバンは大きくて歩きにくい。

「うーわー、めっちゃドキドキする」

初めての登校、そんな独り言が絶えない。

「あ、えいこ!おはよ。」
「やっち、おはよ。」

えいこは俺のあだ名、小学校の頃からえいこだ。こんなあだ名になったのは小学校の先生が俺を女の子と間違ったことが原因だ。まぁ、確かに俺は体がきゃしゃで弱々しく、女の子っぽい。小さい頃から近所のおばさんやおじさんにも
「可愛いらしい顔をしたお子さんですね?女の子?」や「このスカートうちの娘が昔きてたんよー。おさがりになるけどいらない?」などなど、良く言われていたらしい。
まぁ、今で言う。可愛い系男子だ。

「えいこと同じクラスなれるかいな?」

「仮クラスは同じやったけど…やっち頭いいけん特進とかいくっちゃない?」

「頭よくなし」

「いや。頭いいやろ、やっちは。」

こんなやりとりをしているといつの間にやら昇降口の前まできていた。
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