君とカフェで会えたら
=月曜日の夕方・カフェ=
あれから学校で麻友達に(先輩について)質問攻めになって大変だったけど、たまたまバイトで知り合ったと分かったので変な風にウワサされる事は無くホッとした。
私はカフェに行きいつも通りにメニューを確認しているとお皿が割れる音がした
ガシャーン! すると直ぐに同じアルバイトの村西さんの声が聞こえてきた「失礼しましたー」村西さんは明るくて接客が上手だけど結構適当に仕事をしてる人で毎回その適当さに周りが振り回されるので少し困る・・村西さんは慣れた手つきで割れたお皿を片づけた、彼女がお皿を割って片づける場面を見たのはこれで何度目だろう・・・このカフェには色々な人が様々な事情でバイトに来ているのは分かっているけど、正直私は村西さんの適当な仕事ぶりが気に食わなかった。
だからと言って本人に注意する勇気なんて無いんだけど・・・
でも仕事で来ているんだからやっぱり手を抜かずに真剣にやった方がいいのになぁ
=その日の仕事終わり=
先輩と私は学生なので勤務時間が夜の8時までと決まっていた私が着替えてカフェを出るとき先輩はまだ制服姿だったので
私は従業員専用の出入り口の脇に立って待つことにした。
この日私は先輩にイヤホンを渡そう
と決めていてスクールバッグから昨日
自分で包装した包み紙を取り出した。
数分後、湊先輩が出入り口から出て来たので声を掛けようと駆け寄ろうとしたその時、先輩のすぐ後ろから高い女性の声がして村西さんが湊先輩を呼び止めたので私は反射的にドアの脇に逃げ戻った
「湊君っお疲れ様!今日は私も上がりなの、駅まで一緒に行ってもいい?」
すると先輩はいつもの爽やかな笑顔で答えた「お疲れ様です、いいですよ?」
すると村西さんはひまわりが咲いたみたいな笑顔で「いいの?ありがとっ」
と言った。
村西さんは湊先輩の事が好きなのかな?
私はそのまま2人の後をついて行ってしまった。