君とカフェで会えたら
彼女がいる・・・。
『・・俺、実は彼女いるんです』
(そ・・そんな・・・)
先輩の言葉がずっと脳裏に焼き付いて離れない・・この瞬間自分だけ時間が止まってしまったかのような気がした。
目の前が真っ暗になって何も見えなくなった。何も聞こえなくなった。
先輩には彼女がいた・・・こんな大事な事本人からではなく、盗み見して聞いちゃうなんて・・・でも、勝手に付いてきて勝手に盗み聞きしてショックを受けてるのは私・・・。
先輩は何も悪くない、もちろん村西さんだって悪くない・・・悪い事してるのは私、
いったい私は
何をやってるんだろう・・・。
いつの間にか両手に力が入ってて気付くと手の中の包装紙がクシャクシャになっていた。
昨日の夜、湊先輩に渡すために何度も何度も包み直してやっとの思いで綺麗に包んだのに・・・
でももうこのプレゼントは渡せない・・壊してしまったお詫びとは言え彼女がいる人にプレゼントを渡すなんて・・そんなのやっぱり許されない。
彼女にしたら自分の彼氏にプレゼン
トを渡す女なんて絶対嫌に決まってるし!そうだ・・・私がしようとした事は最低なんだ・・・。
自分の中の罪悪感をかき消すかのように私は目の前のクシャクシャになった
包み紙を急いでスクールバッグの中に押し込んだ。