君とカフェで会えたら
=放課後=
放送室からチャイムが流れると私はすぐに鞄を持って教室を出た。
友達と話していたりしたら遅刻する・・・。
麻友達とは挨拶だけして可鈴は急ぎ足で学校を出てバイト先へ向かう。
はぁはぁと息を切らして更衣室に入ると、ホール担当の前田さんと村西さんが何やら盛り上がっていた。
どうしたのかと尋ねると、前田さんがこう言った。
「明日、ここに新しくアルバイトの男性が入るんだって、昨日面接に来ててその人かなりのイケメンだったのよ!まるでアイドルみたいだったの~」
すると村西さんが「えぇ~?前田さんだけ先に見たなんてズルいじゃないですかー」と言うと前田さんはすぐさま
「私もチラッと見ただけよ~明日が楽しみね~」と言った
「そうですね・・新しい人かぁ・・・」当たり障りのない答えを返すと、可鈴は急いでcloverの制服に着替えた。
cloverの女性店員の制服は白い丸襟が
付いた緑色のワンピースに白い
スカーフを巻いて、白いエプロンを
付けた感じの可愛いモノなので
可鈴は結構気に入っていた。
男性の制服は白いシャツに緑色のネクタイと深緑色のパンツに黒いエプロンだった。
カフェのイメージカラーが緑なので制服にも緑色が多かった。この制服を男性が着るととても背が高く、
爽やかに見えた。カフェcloverは
制服は可愛いけど、仕事はハードで
規則なども厳しい所だ。
ここのメニュー表は季節ごとに
コロコロ変わるので覚えるのが
大変なのと、常に笑顔で接客も
丁寧に出来ないといけないし、
滑舌が悪いと店長に叱られるしで
とにかく大変だ。
制服が可愛いのと時給が高いので
女子高生や女子大生に人気の
バイトだけど、軽い気持ちで入る
人が多く、その大半が入って
一カ月もしない内に辞めてしまう
パターンが多いらしい・・・だから
今回新しく男性が入るなんて本当に
珍しい事なので前田さんと村西さん
の浮かれる気持ちは分からなくは
なかった。前田さんと村西さんは
私服に着替えているので今日は
終わりということが分かった。
可鈴は2人に挨拶をすると、更衣室
から出て行った。