君とカフェで会えたら
 この時・・何故だかメモを持つ腕が重く感じた。
それから家に帰って陽たちが寝ると一人ダイニングの椅子に座り先輩の連絡先を携帯に登録した。

(今メールを送っても大丈夫かな・・)
そう思って時計に目を向けると、夜の11時を過ぎていた。
(でも・・メールだから大丈夫だよね?)
先輩の迷惑にならない事を祈りながら私はメールを送った。

【先輩、お疲れ様です。安里可鈴です。
夜分遅くにスミマセンm(_ _)m先輩の連絡先、登録しました♪】

すると以外にもすぐに返信が来た。

「え?!」びっくりして思わず声を出してしまいすぐに口を手で覆った。
まずい・・・陽たち起きちゃったかな?そう思って和室の襖を少しだけ開けて中を見ると陽たちは変わらず静かな寝息をたてているようだった。

ほっと胸を撫で下ろすとふすまを閉めてダイニングの椅子に座って先輩のメールを見た。

【お疲れ様。登録ありがとう!これから三咲さんの事色々聞くと思うけど宜しくね。この前は・・何も力になれなくてゴメン、映画の日も可鈴ちゃんが負担に感じるようなことは無いように気を付けるから・・だから、これからも宜しくね!】

先輩はやっぱり優しい・・・私に気を使ってくれているのが痛いほど伝わって来て、嬉しい・・嬉しくて、嬉しくて・・それ以上にやっぱり悲しい。

先輩にとっての私は・・ただの高校の後輩でしかないのに・・私のこの想いが実る事なんて無いのに・・絶対ないのに・・・どうして私は諦められないの・・?

何で私は・・湊先輩の事が好きなの? 何で先輩には彼女が居るの?
そんな真っ黒な思いに支配されてしまいそうで怖かった。

それから私はバイトが入っていない日を先輩にメールで教えた。
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