君とカフェで会えたら
 そして・・・運命のWデート当日。
昨晩は麻友が電話してきてかなりテンパっていた様子だったけど私は『麻友なら絶対大丈夫だから』と言いながら嬉しい気持ちで一杯だった。
(だって・・ついに・・・私の大好きな麻友の恋が結ばれるかも知れないんだもん・・麻友があまりにも不安げで緊張してるから私も緊張しちゃうよ・・・。でもそれ以上にやっぱり嬉しいなぁ・・・大好きな親友の恋が実るってこんなに嬉しいんだなぁ~)
そんな事を考えながら私は麻友に選んでもらった服を着て待ち合わせ場所の駅前広場で皆を待っていた。
待ち合わせの10分前聞き覚えのある声に名前を呼ばれて顔を上げた。

「可鈴ちゃん?」
「はっはい!」
そこには私服姿の湊先輩がいた。
先輩の私服を初めて見る・・どんな服で来るのか緊張してたけど先輩はシンプルな白いTシャツにデニム生地のシャツを羽織って黒のパンツとスニーカーと言ったラフな感じで逆にホッとした。でもやっぱり爽やかでカッコいい・・・先輩はどんな服を着ても似合うけど今日のファッションは一段と先輩の爽やかな魅力を引き出しているように思えた。

先輩は爽やかに言った「おはよう!」
先輩の挨拶に精一杯の笑顔で返す「おはようございます!」
「ごめんっ凄くオシャレで可愛かったから気付かなかった・・あっこれはその!いつも以上にって意味でごめん・・俺日本語下手だね」
「いいえ!全然大丈夫ですっ先輩の私服素敵ですね・・」
「本当?ありがとう・・可鈴ちゃん今日の格好可愛いね」
「そっそんな・・ありがとうございます。」
待ち合わせの5分前になると岡田大輝ことヒロ先輩が待ち合わせ場所に現れた。
「健吾!おはよう」
「おはようって・・ヒロお前、顔大丈夫か?」
「へ?顔?」
「顔真っ青だぞ?もしかして昨日眠れなかった?」
その問いにヒロ先輩は頬を真っ赤にしながら言った。
「そっそりゃそーだろ!だってあのっあの三咲とついにプライベートで会えるなんて夢みてーで・・」
(うわぁ・・これが麻友の好きな人・・ヒロ先輩なんだ・・)
ヒロ先輩はちょっとあか抜けていて茶色く染めた髪とピアスのせいか少しチャラチャラした感じに見えるけど、背が高くて肌の色は湊先輩より少し白くて細マッチョのかなりのイケメンで湊先輩と並ぶと芸能人みたいでキラキラなオーラが更に輝いて見える・・・)
「ヒロ!この子が今日一緒に映画行ってくれる三咲さんの親友の安里可鈴ちゃんだよ」
と湊先輩が私を爽やかな笑顔で紹介した。
「おおっ!もう来てたんだ!気付かなかったぁ」
「あ・・初めまして、今日は宜しくお願いします!」
「い、いやこっちこそヨロシク!先に言っとくけど今日テンパって色々失敗したらゴメンな!」
「いいえ!大丈夫です・・私もちゃんと2人をサポート出来るよう頑張るので!」
「うっうがぁ!緊張してきたぁ~」
(ヒロ先輩・・・本当に麻友の事が好きなんだなぁ・・自分の恋が上手くいっている訳じゃないのに何だか嬉しいよ・・)
< 42 / 82 >

この作品をシェア

pagetop