君とカフェで会えたら

=朝、教室。=

教室の後ろのドアから入ると麻友が

駆け寄って来て、明るく挨拶をした

「可鈴おはよーっ!」

元気な麻友が話しかけてくれただけで

私は朝のモヤモヤとした気持ちが
スッキリとした。

麻友につられて笑顔になる
「おはよう!」
と麻友に挨拶を返すと、麻友はすかさず制服にシワが付いている事を冗談半分に茶化して来た。

「可鈴、どーしたの?そのスカート、

めっちゃシワだらけなんだけど!」

「ヤバッ!バレた?いやー昨日家帰って芽衣と理桜を寝かしつけてるうちに
一緒になって寝ちゃってさー起きたら朝で、アイロンかける時間無かったー」と私もおどけて言った

「あははアイロンて!何か可鈴、

仕事と家事に追われてる主婦みたい」

「え~?ひど~い!まだピッチピチの

15才なんですけどー!」

私は笑いながら麻友に言うと自分の

席に移動した。私は麻友のお蔭で

明るくいられる・・・

麻友が居なかったら学校に来るのも

こんなに楽しいって思えなかったと思う。

麻友の席は私の後ろだ。麻友は私が席に座るなり、私を呼んだ、麻友の机には雑誌が広げられていて、麻友は開いているページを指さしてこう言った

「ねぇねぇ~今月のわたしの運勢最悪だよ~」

何やら、雑誌の占いのページを読んでいたらしい。

「え~そうなの?」と言い私も麻友の

雑誌を見入った。麻友はかに座で

私はおうし座、かに座のとこを見ると

確かに運勢ランキングで12位だった。

「ホントだ~ラッキーアイテムは?」

すると麻友が納得いかない顔で答える

「う~んと推理小説だって・・・」

「推理小説?!」

「推理小説なんて私持ってないし!」

「だよね~」

すると麻友は「じゃあ次は可鈴ね!」

と言って今度はおうし座のところを見た。

その日も麻友達と楽しい一日を過ごした。

そして放課後、可鈴は麻友達と別れてから、急いでcloverに向かった。

すっかり忘れてたけど、今日は新しい人が来るんだった!

そう思ったらなんだか急に緊張してきた。

でもそれより今は早くカフェに行かないと!

そう思って可鈴が走り出したその時、

 ドンッ!!

(わっ?!)可鈴は誰かとぶつかって

転んでしまった。

「いったぁ~あっ!ごっごめんなさい!」と言いながら立ち上がった

その時! パキッ!

かすかに何かが割れるような音がして
可鈴が足を見ると、
ぶつかった人の音楽プレイヤーのイヤホンが割れていた。

(ぎゃ~っ何してんの私っ!!)
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