君とカフェで会えたら
私は先輩のメールを読んでまたモヤモヤした気持ちに包まれてしまった。
(ほら··やっぱり先輩は何も言わない··ただのバイト先の後輩なんだから当たり前だけど···でも··私だって凄く心配で仕方がなかったのに本当ならヒロ先輩について行って先輩の安否を確認したかった··でも私にはできなかった··私まで休んだらお店に迷惑がかかるから··それに私は湊先輩の彼女じゃない··私は先輩にとって家族みたいに大切な存在らしいけど··恋愛対象にはなれない···私がどんなに好きでも··それは変わることの無い事実なんだよね···)

(でも···私がこのまま何も言わずにいたら何も変わらない気がした)

私は意を決して先輩に電話をかけた、
何回かのコールの後、先輩が電話に出た。

[もしもし夜分遅くにすみません、今大丈夫ですか?]

[もしもし可鈴ちゃん?大丈夫だよ··今日は本当にごめんね··]

[先輩···今日は本当に心配してたんです!岡田先輩が言ってましたが、湊先輩みたいな真面目な人が無断欠席なんてやっぱり余程のことがあったんだろうなって··]

[いや··そんな大袈裟なことじゃないから本当に気にしないで?]

[休んだ理由についてはもちろん詳しく聞きませんけど··私は今日先輩に少し腹が立ちました···]

[え?]
その時、先輩がどんな顔をしていたのかは分からなかったけど、先輩はしばらく沈黙していた。
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