2・5次元の彼女
ああ、わかってるよ。
やばいよ。
だからってどうしようもないことも事実だし。


『そうだね』
内心とは裏腹に、文字にするとやけに冷静な響きになった。

『何のんびりしたこと言ってんの!? 景斗、いいの!?』

言い訳ないじゃないかと思いながらも、仕方がないことも分かっていた。
『どうしようもないからね』

『ユウさんとHARUさん付き合っちゃうかも知れないよ? いいの?』
なおも食い下がるイリーナに、景斗はいい加減イライラとしてきた。

『どうしろっていうんだよ』
素直な呟きを漏らしたら、怒りを含むような言い方になってしまった。

景斗が見た目以上に焦っていることにイリーナも気がついたようだ。
『でもほら、2人で遊んだからって、必ずしもどうこうなるってわけじゃないし。
HARUさんは紳士だから、ユウさんに手出ししないかも』

フォローしてくれているのだろうか。
わざとらしさが逆に痛々しい。

『好意を持ったいい大人の男女が、2人きりで部屋に居て、何もないと思う?』
思わず嫌味な言葉を打ち込んでしまった。
自分で言ってて吐き気がした。
< 115 / 241 >

この作品をシェア

pagetop