２・５次元の彼女
HARUだあああああ！

私は叫びだしたい気持ちを必死に抑えて、穏やかな笑顔で答える。


HARUは文句なく格好良かった。
長身でどちらかというと筋肉質。
黒髪に、黒いブルゾン、カーキのカーゴパンツというクール目な装い。
少し落ち着いた佇まい。やはり年上のようだ。30歳くらいだろうか。

どうしよう。
私の想像していた通りのHARUが目の前にいる。


「さて、あとは景斗だけなんだけど」
イリーナが辺りを見回していると、一人の男が話しかけてきた。

黒縁の眼鏡に、ネイビーのジャケット、淡いグレーのパンツという、少し真面目そうな印象の男性。

私のイメージより少し大人びていたけれど。
でも間違いない。景斗だ。

景斗は、私たち３人をじっと見つめた。
そして呟く。
「イリーナ……？」

少しだけ頬を赤らめた彼の視線の先にいたのは

私。

あ、完全に勘違いされた。

そりゃあそうか、この中で女性といったら、私しかいないもの。
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