2・5次元の彼女
むくれながら答える私に、HARUは穏やかな笑みを浮かべた。
「夕莉。俺は、今まで通り一緒にいたいだけなんだけど。それじゃあだめかな?」
頬に手を添えられて、ぴくんと身体が反応する。
何が今まで通りだ。全然今まで通りじゃないよ。
HARUが結婚していると分かった以上、今までのようにただ単純に好きだなんて言えないよ。
そんな揺れる私にHARUの優しくて鋭い瞳が追い討ちをかける。
「俺、東京で一人ぼっちなんだぜ? 夕莉が傍にいてくれないと、寂しすぎて死んじゃうよ」
珍しく弱気な言葉を吐くHARUを、ついつい甘やかしてしまいそうになる。
「だって、いつかは帰っちゃうんでしょ?」
「なら、それまでは一緒にいようよ。それとも……」
HARUが私の身体に腕を回す。少し固い胸元に埋まる私の頬。
「もう俺なんかと一緒にいたくない?」
はい。と、言えればよかったのだけど。
とても言えない自分が愚か過ぎて泣けてきた。
こんなんじゃあいつまで経っても幸せになんかなれない。
彼を抱き返さないのは、せめてもの抵抗。
自分からは絶対に抱きしめてなんかやんないぞと、小さくてくだらない決意を胸に刻んだ。
「夕莉。俺は、今まで通り一緒にいたいだけなんだけど。それじゃあだめかな?」
頬に手を添えられて、ぴくんと身体が反応する。
何が今まで通りだ。全然今まで通りじゃないよ。
HARUが結婚していると分かった以上、今までのようにただ単純に好きだなんて言えないよ。
そんな揺れる私にHARUの優しくて鋭い瞳が追い討ちをかける。
「俺、東京で一人ぼっちなんだぜ? 夕莉が傍にいてくれないと、寂しすぎて死んじゃうよ」
珍しく弱気な言葉を吐くHARUを、ついつい甘やかしてしまいそうになる。
「だって、いつかは帰っちゃうんでしょ?」
「なら、それまでは一緒にいようよ。それとも……」
HARUが私の身体に腕を回す。少し固い胸元に埋まる私の頬。
「もう俺なんかと一緒にいたくない?」
はい。と、言えればよかったのだけど。
とても言えない自分が愚か過ぎて泣けてきた。
こんなんじゃあいつまで経っても幸せになんかなれない。
彼を抱き返さないのは、せめてもの抵抗。
自分からは絶対に抱きしめてなんかやんないぞと、小さくてくだらない決意を胸に刻んだ。