2・5次元の彼女
「夕莉は飽きっぽいみたいだから。退屈させちゃいけないと思って」
「飽きっぽくなんかないよ」
「飽きっぽいよ」
「どうして?」
「ゲームの中でも、しょっちゅう装備変えたりして、落ち着きが無い」
「ゲームの中の話じゃん」
「ゲームの中の方が、夕莉の性格がよく出てるよ」
「そうかなあ」
確かに、現実よりもゲームの中の方が、気を使ったり見栄を張らない分、素の自分が出ているのかもしれない。
たいして現実の時間を共に過ごしていないにも関わらず、HARUは私のことをよく分かっているみたいし、きっとそうなのだろう。
とはいえ、当の私はHARUのことがさっぱり分からないのだけれど。
どちらかというとHARUは私とは逆で、ゲームの中の方が気を使っているように感じられる。
そもそもどうしてHARUはゲームなんて始めたのだろう。
言っちゃ悪いけれど、ゲームをする人ってどこか子どもっぽかったり(――イリーナみたいに)、オタクっぽかったり(――景斗みたいに)、心が弱かったり(――私みたいに)、そんなマイナスなイメージが付いてまわるのだけれど。
彼を見ていると、ゲームにのめり込むような人にも見えないし、妻子を持つ彼が暇だったとも思えないし。
「ねえ。HARUはどうしてゲーム始めたの?」
私が問いかけると、HARUは「ん?」と漏らしてきょとんとした表情をした。
「友達に誘われたから。なんで?」
「いや……なんか、ほら、ネットゲームで独身のイメージがあるし」
「そんなことはないと思うけど。まあ始めた当初は独身だったよ」
「それに、HARUってゲームしそうに見えないし」
「まあ、確かに。そんなにゲームする方じゃなかったけど」
HARUは頷いて、ごろりと仰向けに身体を回転させた。
腕を頭の後ろで組みながら目を閉じて、昔話を語るようにぽつぽつと言葉を紡ぐ。
「飽きっぽくなんかないよ」
「飽きっぽいよ」
「どうして?」
「ゲームの中でも、しょっちゅう装備変えたりして、落ち着きが無い」
「ゲームの中の話じゃん」
「ゲームの中の方が、夕莉の性格がよく出てるよ」
「そうかなあ」
確かに、現実よりもゲームの中の方が、気を使ったり見栄を張らない分、素の自分が出ているのかもしれない。
たいして現実の時間を共に過ごしていないにも関わらず、HARUは私のことをよく分かっているみたいし、きっとそうなのだろう。
とはいえ、当の私はHARUのことがさっぱり分からないのだけれど。
どちらかというとHARUは私とは逆で、ゲームの中の方が気を使っているように感じられる。
そもそもどうしてHARUはゲームなんて始めたのだろう。
言っちゃ悪いけれど、ゲームをする人ってどこか子どもっぽかったり(――イリーナみたいに)、オタクっぽかったり(――景斗みたいに)、心が弱かったり(――私みたいに)、そんなマイナスなイメージが付いてまわるのだけれど。
彼を見ていると、ゲームにのめり込むような人にも見えないし、妻子を持つ彼が暇だったとも思えないし。
「ねえ。HARUはどうしてゲーム始めたの?」
私が問いかけると、HARUは「ん?」と漏らしてきょとんとした表情をした。
「友達に誘われたから。なんで?」
「いや……なんか、ほら、ネットゲームで独身のイメージがあるし」
「そんなことはないと思うけど。まあ始めた当初は独身だったよ」
「それに、HARUってゲームしそうに見えないし」
「まあ、確かに。そんなにゲームする方じゃなかったけど」
HARUは頷いて、ごろりと仰向けに身体を回転させた。
腕を頭の後ろで組みながら目を閉じて、昔話を語るようにぽつぽつと言葉を紡ぐ。