2・5次元の彼女
ああ、もう。
仕方ないなぁ。

「ごめんごめん、わかったよ。
泣いてすっきりしよう。
ほら、思いっきり泣いていいから」
私は震える景斗の背中をさすった。

「ありがとう。やっぱりユウさんは優しいね」

景斗が少しだけ微笑んで、眼鏡を外した。
大きい瞳。濡れた長い睫毛。
あれ……?
眼鏡を外してみると、予想以上に整った顔立ちの彼に驚いた。

私が彼に見とれていると

「大好きだよ、ユウさん」
不意に、景斗が私の首筋に手を回した。

え?

私の顔を引き寄せると
そっと唇にキスをした。

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