2・5次元の彼女
ええええええ!?

なんでそうなる!?


私は彼から逃げようと、必死に身体を後ろに反らせるも、そのうち背中が地面についてしまって、逆に逃げ場をなくしてしまった。

彼の身体が私の上に重なる。

え!? やだ、やだ何これ!?

鼓動が激しく高鳴る。
震えて動けない。

彼が再び口付けた。
今度はとても濃厚な
まだ私が経験したこともないような、大人のキス。


その瞬間。
ガチャリと、ドアを開ける音が聞こえた。

見上げると、ドアの隙間からこちらを覗く黒い人影。


HARU……!!


HARUは私と目が合うと

「……悪い、邪魔した」
そう呟いて身を引っ込めると、非常階段のドアを閉めた。

私は全身の血の気が引いていくのを感じた。


違う違う違う違う違う!

「待って!!」


私の叫びも虚しく、HARUは私たちの元から去っていった。
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