2・5次元の彼女
「景斗、そういう単純な問題じゃない」

答えたHARUに、間髪入れず冷ややかに答える景斗。
「単純な問題ですよ、僕やユウさんから見ればね」

1歩、景斗はHARUとの間合いを詰めた。
「YESかNO、それだけでいいです。答えてください」

また1歩、景斗はHARUへとにじり寄る。
まるで答えを急かすかのように。

「あなたが、本当に、ユウさんの幸せを願ってくれてるのなら……
ユウさんを……幸せにすると誓ってください。
約束してくれるのなら、僕はふたりの前から姿を消します」

HARUの目の前で、景斗はその瞳を上げた。

「……景斗、」

切れの悪い、HARUの言葉。
その瞳に一瞬動揺が走るのを、私は気づいてしまった。

やめてよ。
そんな顔のHARUを見たくない。

そりゃあ、YESだなんて、言える訳がないだろう。
家族を捨てるだなんて、そんなこと即答できるわけがない。

なんなの景斗。
どうしてそんな残酷な質問をするの?

一体何がしたいっていうの?
私が決してHARUに選ばれないことを確認して、私が傷つくのを見たいの?
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