２・５次元の彼女
＊＊＊第１章＊＊＊



今日もよく働いた。

立ちっぱなしで足がむくんでパンパンだ。
椅子が恋しい。

私はコートをベッドの上に脱ぎ捨てて、パソコンデスクに向かった。
パソコンの電源を入れると起動音が鳴り、画面にゆっくりとお決まりのロゴが浮かび上がる。

その間に、台所の棚の上にあった菓子パンをかじり、冷蔵庫の中から２リットルの水が入ったペットボトルを取り出して机の上に置いた。
もちろん、トイレに行っておくのも忘れずに。

これで準備万端。

長い夜が始まる。


いつものアイコンをダブルクリックすると、グラフィカルなウィンドウが立ち上がり『エミリアファンタジー』のロゴが画面いっぱいに広がった。
私は間髪いれず『スタート』と書いてあるボタンを押す。

ここから私は、ネットゲームの世界へと突入する。
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