2・5次元の彼女



少し遅れて仕事に向かった私は、いつもどうりの業務をこなし、店の閉めの作業を終え、22時半には職場を出た。


冷たい冬の風に揺れて、足が悩む。


いけないのは分かっていた。

それでも

あんなものを見せられて、ただ黙ってさよならなんて出来ない。


今さら会いに行ったら、嫌がられるだろうか。

彼にとっては、もう過去の出来事になっているかも知れない。


それでも私にしてみたら、もう1カ月も経っているというのに、まるで昨日のことのようで

HARUの顔はまだ、私の頭の中に鮮明に焼きついていた。


一言だけでもいい。

せめてお礼を言わせて欲しい。

もう一度会って、ちゃんと話がしたい。
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