2・5次元の彼女
ゆっくりとした足取りでHARUの部屋の前まで辿り着くと、私は震える指先でチャイムを押した。
彼はなかなか出てこない。
待たされるこの時間が、辛い。
やがてガチャリと音がして、鍵が開かれる音がした。
ゆっくりとドアが開いて
私の会いたかった人がその姿を現す。
「……HARU?」
「夕莉」
彼が私の名を読んだ。
ずっと聞きたかった、低くて懐かしい声。
どうしよう。混乱している。
目の前に、もう諦めたはずの彼がいる。
HARUは私の顔を見ると、ため息交じりの苦笑いを浮かべた。
「こんなところに来て、景斗に知られたら怒られるぞ?」
1カ月ぶりだというのに。
どうして最初に出てくる話題が景斗のことなんだろう。
他に何か言うことはないのかと、がっくりうなだれながら、私は不満気な瞳で彼を見上げた。
「どうしても、会って伝えたいことがあって……」
私が尻つぼみでうつむくのを見ると、彼はフッと吹き出し笑った。
「……バカだな」
そう呟き、私を玄関の中に引き入れる。
ドアを閉めたHARUが、私の背に腕を回した。
「なんのために景斗に伝言を頼んだと思ってんだよ」
そのままHARUは私をぎゅっと抱き寄せる。
「……顔を見たら、離れられなくなるのが目に見えてるじゃないか」
彼が耳元で囁いた。
彼はなかなか出てこない。
待たされるこの時間が、辛い。
やがてガチャリと音がして、鍵が開かれる音がした。
ゆっくりとドアが開いて
私の会いたかった人がその姿を現す。
「……HARU?」
「夕莉」
彼が私の名を読んだ。
ずっと聞きたかった、低くて懐かしい声。
どうしよう。混乱している。
目の前に、もう諦めたはずの彼がいる。
HARUは私の顔を見ると、ため息交じりの苦笑いを浮かべた。
「こんなところに来て、景斗に知られたら怒られるぞ?」
1カ月ぶりだというのに。
どうして最初に出てくる話題が景斗のことなんだろう。
他に何か言うことはないのかと、がっくりうなだれながら、私は不満気な瞳で彼を見上げた。
「どうしても、会って伝えたいことがあって……」
私が尻つぼみでうつむくのを見ると、彼はフッと吹き出し笑った。
「……バカだな」
そう呟き、私を玄関の中に引き入れる。
ドアを閉めたHARUが、私の背に腕を回した。
「なんのために景斗に伝言を頼んだと思ってんだよ」
そのままHARUは私をぎゅっと抱き寄せる。
「……顔を見たら、離れられなくなるのが目に見えてるじゃないか」
彼が耳元で囁いた。