2・5次元の彼女
彼を抱きしめる手が震えて、きっとそれは彼に伝わってしまっただろう。
私の感情を受け取ると、HARUは優しい声で言った。
「俺は夕莉を幸せに出来ない」
それは、あのとき、言ってくれなかった質問の答え。
今度こそはっきりと口に出されて、もう私は何も言うことができなかった。
「俺には守らなきゃいけないものがある。
……それは、夕莉じゃないんだ。
いい加減、責任から逃げ続ける訳にはいかない」
それはずっと現実から逃げ続けてきたHARUの決意。
そうか。
覚悟を決めたんだ。
それならば、私ひとりが我が儘を言い続ける訳にはいかない。
彼のお荷物にはなりたくない。
笑顔で彼の背中を押す、そんな存在であり続けたい。
私も覚悟を決めなきゃならない。
ずるずると欲望に引きずられる日々を
一瞬の快楽ばかり追い続ける日々を
卒業しなきゃならない。
気持ちは割り切れていない。
それでも、自分がどうすべきかは分かる。
「わかった」
そう言うと、悔し紛れに彼をぎゅっと抱きしめた。
それに答えるかのように、HARUも私を抱きしめる腕に力を込める。
「夕莉……!」
HARUの声が切なく掠れていた。
なんて声を出すんだ。
余計に愛おしくなってしまう。
私の感情を受け取ると、HARUは優しい声で言った。
「俺は夕莉を幸せに出来ない」
それは、あのとき、言ってくれなかった質問の答え。
今度こそはっきりと口に出されて、もう私は何も言うことができなかった。
「俺には守らなきゃいけないものがある。
……それは、夕莉じゃないんだ。
いい加減、責任から逃げ続ける訳にはいかない」
それはずっと現実から逃げ続けてきたHARUの決意。
そうか。
覚悟を決めたんだ。
それならば、私ひとりが我が儘を言い続ける訳にはいかない。
彼のお荷物にはなりたくない。
笑顔で彼の背中を押す、そんな存在であり続けたい。
私も覚悟を決めなきゃならない。
ずるずると欲望に引きずられる日々を
一瞬の快楽ばかり追い続ける日々を
卒業しなきゃならない。
気持ちは割り切れていない。
それでも、自分がどうすべきかは分かる。
「わかった」
そう言うと、悔し紛れに彼をぎゅっと抱きしめた。
それに答えるかのように、HARUも私を抱きしめる腕に力を込める。
「夕莉……!」
HARUの声が切なく掠れていた。
なんて声を出すんだ。
余計に愛おしくなってしまう。