2・5次元の彼女
翌日、仕事から帰ると、重い足取りでパソコンの前へ向かった。
早くHARUの誤解を解かなくては。
私は再びゲームの世界へログインした。
HARUがいる。イリーナもいる。今日は日曜の夜だから、ログイン率が良い。
景斗もいた。
……いなきゃよかったのに。
そんなことを考えながら、いつもの薬屋の横へ行って、みんなと合流した。
もちろん景斗とは一切口を利くつもりはない。
私の様子がおかしいことに気づいたのか、景斗から個人チャットが送られてきた。
『ユウさん、昨日のこと、ごめん』
何がごめんだ。謝って済むなら警察はいらない。
『謝りたいんだ。話を聞いてくれる?』
聞きたくもない。
私は返事をしなかった。
周りに悟られない程度に、いつも通りに振る舞いながら、景斗の存在を完全に無視した。
何度か謝罪のメッセージがきたけれど、全部無視していたら、そのうちこなくなった。