2・5次元の彼女
結局返信がないままユウはログアウトしてしまった。

景斗は、藁にもすがる思いで携帯電話を握り締る。
昼間に念のためと聞いておいたHARUの電話番号をさっそく使うことになるとは。

『おーどうした?』

すでにゲームをログアウトしていたHARUは、就寝中だったのかもしれない。
少しぼんやりとした声で着信に応じた。

「HARUさん、僕はユウさんに一体何をしたんでしょう?」
景斗は恐る恐る尋ねた。
「ユウさん、何度話しかけても、答えてくれないんです。
絶対気づいているはずなのに、無視されて……」

『あー……』
通話口からHARUの気まずそうなうめき声が聞こえる。
『止めてやるべきだったか……』
それは何かを知っているような口ぶりだった。

「知っていることがあるなら、教えてください」
懇願する景斗に、HARUはやむなく、口を開いた。

『俺も詳しくは知らないが……
濃密なキスの現場は見たな』

その言葉に景斗が凍りつく。
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