2・5次元の彼女
「なあ、ユウって本名も『ユウ』なの?」
「本名は『夕莉』だよ」
「じゃあさあ――」
HARUはテーブルに肘をついて身を乗り出すと、その甘い瞳で私を覗き込んで囁いた。
「こうやって会ってるときは、『夕莉』って呼んでもいい? そしたら、ゴツい男を思い出さなくて済む」
――夕莉――
それはみんなが見ているゲームの中の私ではない、現実の私。
景斗もイリーナも知らない。
HARUだけの、特別。
「いいよ」
少しだけ熱を帯びた頬を押さえながら、私は頷く。
『ふたりの秘密』に、ついつい顔が綻んでしまう。
もう私とHARUは
ゲームの中だけの希薄な存在じゃなくて
ちゃんと形ある現実として
しっかりこの世界に結びついているんだ。
2人の確かな関係に、私はこの上ない満足感を覚えた。
「本名は『夕莉』だよ」
「じゃあさあ――」
HARUはテーブルに肘をついて身を乗り出すと、その甘い瞳で私を覗き込んで囁いた。
「こうやって会ってるときは、『夕莉』って呼んでもいい? そしたら、ゴツい男を思い出さなくて済む」
――夕莉――
それはみんなが見ているゲームの中の私ではない、現実の私。
景斗もイリーナも知らない。
HARUだけの、特別。
「いいよ」
少しだけ熱を帯びた頬を押さえながら、私は頷く。
『ふたりの秘密』に、ついつい顔が綻んでしまう。
もう私とHARUは
ゲームの中だけの希薄な存在じゃなくて
ちゃんと形ある現実として
しっかりこの世界に結びついているんだ。
2人の確かな関係に、私はこの上ない満足感を覚えた。