2・5次元の彼女
HARUは残された私たちのことを気にしているらしい。
『そっちはどうだ?』と聞いてきたので
『3人で狩りに行くよ』と答えた。

少し悩んで、私はキーボードを叩く。
『そっちの狩り、大変なんでしょ? こっちは大丈夫だから、集中していいよ』

HARUの旧友は私たちよりずっと強い。
ということは、私たちといるときよりも、もっとレベルの高い激しい戦闘をしているだろうから
そうなると、戦闘に合わせてキーボードを操作することに忙しくて、のんびりチャットをしている余裕はないはずで。

私の気遣いをHARUは理解したようだったが
『あ、でもこのチャットは閉じないで』
何故がそんなことを言う。

『どうしたの?』
私が尋ねると

『いや、特に用事があるわけじゃないんだが』
彼が前置きして言った。
『なんとなく、夕莉と繋がっていたくて』


え!?

突然画面上に現れた私自身の名前に動揺する。

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