２・５次元の彼女
「えー！　めっちゃ格好良いじゃないっすかー！
どうやって知り合ったんですか？」
「ふふふー。ちょっとねー」

そんなことを話していると、私たちの会話を聞きつけた同僚たちがわらわらと集まってきた。

「なになに、小高さんの彼氏？」
「えー！　イケメンくんじゃん！」
「わー、小高ちゃん、うらやましい」

みんなの褒め言葉に私は思わず得意になる。
褒められているのはHARUなのに、まるで私が褒められているよう。
彼氏を自慢しているみたいで気分が良い。

「まだ、ちゃんと付き合ってるわけじゃないんだけど。
最近ちょっといい雰囲気になってきたんだよね」

何しろ、もうキスをする間柄な訳だし。会いたいって言ってくれているし。
こんなことを考えるのは気が早いかもしれないけれど、付き合うのも時間の問題じゃないかな、なんて思ったり。
それに、次に会ったときは、きっと――

私がにやにやと思い出し笑いをしていると
ふと、ひとりが呟いた。
「こんな格好良い人だったら、ライバルがたくさんいるんだろうな」

怖ろしい言葉を聞いて、私はぴくりと反応する。
「そうかな？」

「当たりまえじゃん、これで彼女がいないと思う？」
「良い物件ほど、入居済みなんだよな」
「わかるー！」
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