2・5次元の彼女
翌日の仕事終わり。
勤め先の百貨店を出たところで、景斗は待っていてくれた。
「お疲れさま」
「お疲れさまです」
スーツ姿の景斗は、なんだか少し男らしくて調子が狂う。
彼は私を連れて歩き出すと、話ができる場所へと案内した。
そこは落ち着いた雰囲気の居酒屋だった。
各テーブルが個室に区切られていて、相談事がしやすい場所を選んでくれたのか。
細やかな気遣いが嬉しくもあり、そのスマートさが悔しくもあった。景斗のくせに、生意気だ。
私は梅酒に口をつける。
何から話せばいい?
私が景斗を覗き込むと、彼は首を傾げながら、優しく微笑んでくれた。
見慣れない仕草にどきりとする。
私は躊躇いながらも、全てを話すことにした。
夕莉と呼んでくれるようになったこと。
会いたいと言ってくれたこと。
そして、キスしたこと。
景斗は私の話を最後まで黙って聞いてくれた。
ときどきうつむきながら、額に手を当てて、だが表情までは読み取れなかった。
勤め先の百貨店を出たところで、景斗は待っていてくれた。
「お疲れさま」
「お疲れさまです」
スーツ姿の景斗は、なんだか少し男らしくて調子が狂う。
彼は私を連れて歩き出すと、話ができる場所へと案内した。
そこは落ち着いた雰囲気の居酒屋だった。
各テーブルが個室に区切られていて、相談事がしやすい場所を選んでくれたのか。
細やかな気遣いが嬉しくもあり、そのスマートさが悔しくもあった。景斗のくせに、生意気だ。
私は梅酒に口をつける。
何から話せばいい?
私が景斗を覗き込むと、彼は首を傾げながら、優しく微笑んでくれた。
見慣れない仕草にどきりとする。
私は躊躇いながらも、全てを話すことにした。
夕莉と呼んでくれるようになったこと。
会いたいと言ってくれたこと。
そして、キスしたこと。
景斗は私の話を最後まで黙って聞いてくれた。
ときどきうつむきながら、額に手を当てて、だが表情までは読み取れなかった。