幸せそうな顔をみせて【完】
「俺が葵のことを分かっているから。…さてと、葵がピックアップしたのをパソコンに打ち込みますか」
そんな言葉と共に、副島新は私の机の上に置いてある書類を取ると、画面に視線に向ける。その横顔はさっきまで話していた時とは全く違う真剣な顔で、やっぱり小林主任には負けてないと思う。端正な顔は凛とした雰囲気を醸し出し、私の好きな表情にドキドキする。
こういう表情をしている時に『好き』と思う。仕事に対していつも余裕を見せているようにあるけど、実際はその裏で沢山の努力を積み上げている。自分に負けない強い意思が横顔に宿っている。
「俺の顔に見とれてないでさっさと手を動かす。さすがに8時以降は残業する気はないから、一気に終わらせろよ」
え?8時ってもうそんなに時間が残ってない。どう考えても2時間は掛かるくらいの仕事量は残っていた。それでも副島新は終わらせるつもりなのだろうか?
「本気?」
「ああ。そうしないと葵とデート出来ないだろ」
「デート?だって、平日は泊まらないって」
月曜日にいきなり私のマンションに来て、『平日は泊まらない』って言ったのは副島新だった。いきなり来て、玄関先で抱きしめられて、そして、そのまま帰って行った。その時に残した言葉が『平日は泊まらない』だったはず。
「泊まるだけがデートじゃないだろ。一緒に食事に行ったりもしたいし、一日に少しでもいいから葵との二人だけの時間が欲しい」
そんな言葉と共に、副島新は私の机の上に置いてある書類を取ると、画面に視線に向ける。その横顔はさっきまで話していた時とは全く違う真剣な顔で、やっぱり小林主任には負けてないと思う。端正な顔は凛とした雰囲気を醸し出し、私の好きな表情にドキドキする。
こういう表情をしている時に『好き』と思う。仕事に対していつも余裕を見せているようにあるけど、実際はその裏で沢山の努力を積み上げている。自分に負けない強い意思が横顔に宿っている。
「俺の顔に見とれてないでさっさと手を動かす。さすがに8時以降は残業する気はないから、一気に終わらせろよ」
え?8時ってもうそんなに時間が残ってない。どう考えても2時間は掛かるくらいの仕事量は残っていた。それでも副島新は終わらせるつもりなのだろうか?
「本気?」
「ああ。そうしないと葵とデート出来ないだろ」
「デート?だって、平日は泊まらないって」
月曜日にいきなり私のマンションに来て、『平日は泊まらない』って言ったのは副島新だった。いきなり来て、玄関先で抱きしめられて、そして、そのまま帰って行った。その時に残した言葉が『平日は泊まらない』だったはず。
「泊まるだけがデートじゃないだろ。一緒に食事に行ったりもしたいし、一日に少しでもいいから葵との二人だけの時間が欲しい」