幸せそうな顔をみせて【完】
『葵らしいな。いらないと言っても葵のことだから気にするか。じゃ、今日仕事が終わったら連絡して。俺の方は定時以降はアポが入ってないから大丈夫だと思う』
正直、ホッとする。お金を借りた上で仕事も絡むとなると気持ち的にいいもんじゃない。だから、仕事に入る前に会えるのは嬉しい。それに尚之にキチンとお礼も言ってないのも気になっていた。
『分かった。じゃ、終わったら連絡する』
『ああ。後、今回の仕事は別に葵がその会社にいるから取引を考えたわけじゃない。その会社の新製品はかなりいい商品だと思うし、取引に関して葵が嘘を吐けない性格も知っているから、葵に連絡した』
『わかってる』
『じゃ、今日な』
そう言うと尚之は電話を切ってしまった。
私は電話を置くと机の上のパソコンを開きながら今日の緑川さんとのプレゼンの内容を点検することにした。既にファイリングされ、資料は準備が終わっている。それでも最後の確認に入る。確認をしていると、小林主任の所に行っていた副島新が戻ってきたので、私は瀬能商事との話の件で小林主任に時間の都合を聞きに行くことにした。
副島新が座ったと同時に私は立ち上がったのだった。そして、小林主任の方に行こうとすると、急に後ろから腕を引かれた。吃驚して振り向くと、そこには副島新の鋭い視線が私を見つめていた。
「何?」
「葵。俺、何かしたか?お前、怒らせるようなこと何もしてないつもりだけど」
正直、ホッとする。お金を借りた上で仕事も絡むとなると気持ち的にいいもんじゃない。だから、仕事に入る前に会えるのは嬉しい。それに尚之にキチンとお礼も言ってないのも気になっていた。
『分かった。じゃ、終わったら連絡する』
『ああ。後、今回の仕事は別に葵がその会社にいるから取引を考えたわけじゃない。その会社の新製品はかなりいい商品だと思うし、取引に関して葵が嘘を吐けない性格も知っているから、葵に連絡した』
『わかってる』
『じゃ、今日な』
そう言うと尚之は電話を切ってしまった。
私は電話を置くと机の上のパソコンを開きながら今日の緑川さんとのプレゼンの内容を点検することにした。既にファイリングされ、資料は準備が終わっている。それでも最後の確認に入る。確認をしていると、小林主任の所に行っていた副島新が戻ってきたので、私は瀬能商事との話の件で小林主任に時間の都合を聞きに行くことにした。
副島新が座ったと同時に私は立ち上がったのだった。そして、小林主任の方に行こうとすると、急に後ろから腕を引かれた。吃驚して振り向くと、そこには副島新の鋭い視線が私を見つめていた。
「何?」
「葵。俺、何かしたか?お前、怒らせるようなこと何もしてないつもりだけど」