幸せそうな顔をみせて【完】
副島新の言葉を聞きながら少しだけ安心する私がいる。副島新も私と同じようにこの始まったばかりの恋をどうしたらいいのかと考えているのかもしれない。そんな中で彼が思いついたが『指輪』。でも、指輪と言うよりは何か二人の間で形となるものを望んでいるように見える。
食器にしろ、指輪にしろ。
それが副島新の思いかもしれない。指輪で安心をするならそれでいい。少し私の中に戸惑いが残らないとは言わないけど、それでも望むなら私はそれに従う。
「好きなの選んでいいの?」
「ああ。つけるのは葵だから好きなのを選んだらいい」
「分かった」
一緒にテナントの中に入ると私はブライダルコーナーではない方に歩いていく。そこにはブライダルほどの数はないけど、可愛らしいファッションリングやネックレスなどのアクセサリーが並んでいた。その雰囲気に自分の場違いさを感じたけど、それを振り払うかのように副島新の顔を見ると私のように焦っている雰囲気は見受けられなかった。
ガラスケースの中を覗いている私と副島新の前に黒のワンピースを着ている販売員の女の人が前に立つとニッコリと笑った。清楚な中に凛とした強さを持つ雰囲気で、あまりの綺麗さに私は一歩足を後ろに下げてしまうほどだった。
「いらっしゃいませ。今日は何をお探しですか?」
「すみません。彼女に指輪をと思っています。いくつか見せて貰えますか?」
食器にしろ、指輪にしろ。
それが副島新の思いかもしれない。指輪で安心をするならそれでいい。少し私の中に戸惑いが残らないとは言わないけど、それでも望むなら私はそれに従う。
「好きなの選んでいいの?」
「ああ。つけるのは葵だから好きなのを選んだらいい」
「分かった」
一緒にテナントの中に入ると私はブライダルコーナーではない方に歩いていく。そこにはブライダルほどの数はないけど、可愛らしいファッションリングやネックレスなどのアクセサリーが並んでいた。その雰囲気に自分の場違いさを感じたけど、それを振り払うかのように副島新の顔を見ると私のように焦っている雰囲気は見受けられなかった。
ガラスケースの中を覗いている私と副島新の前に黒のワンピースを着ている販売員の女の人が前に立つとニッコリと笑った。清楚な中に凛とした強さを持つ雰囲気で、あまりの綺麗さに私は一歩足を後ろに下げてしまうほどだった。
「いらっしゃいませ。今日は何をお探しですか?」
「すみません。彼女に指輪をと思っています。いくつか見せて貰えますか?」