小さな不思議のお話
10. 白河天音

「『ツンデレ』なんて三次元でやったらキモいだけだよ?可愛い子なら例外だけどな」

自分ではそんな恥ずかしいことやった覚え無いのに、優越的な笑みを浮かべながら「彼」は私にそう言った。

「は、はぁ?な、何いってんの。そんな気持ち悪いことしてないしっ」

私が反逆的に手を組みそっぽを向いてみせると、彼はため息まじりに「それだよ、それ」と言う。

「わざとじゃねーんだな、変な奴。」

「何がよ!」

「その性格」

「ちょっ...!性格に文句つけるなんて....どうしろって言うのよ...!」


彼の傲慢(?)な態度に私は徐々に怒りを覚えてきた。

「いい加減にしなさいよ?!」

少し泣いていたかもしれない。視界が歪んでいた。

「じゃあ、俺も手伝ってやるよ、その性格治すの。」

彼は、少しずつ私に歩み寄る。
私もそれに合わせて後退りしながら
応える。

「....どういうこと?」

「だからそのアニメキャラみたいな性格を治してやるって言ってんだよ。」

「....な、なによ。頼んでなんかないじゃない...」

「へぇー、お前はそのまんまでいいんだな?その性格のせいで女子にも男子にもうざがられて孤独で、それでいいんだな?」

「うぐっ...!」

反論したかった。こんな奴にこんなこと言われたくなかった。でも、悔しいけど反論できなかった。


「....もういい、分かったわよ。」

そういうと、これ樋渡の方に近づくのをやめ、今までほぼ変えなかった表情を柔らかくして笑いました。


「よっし!じゃあ明日からは放課後、教室に残ってろよ?
特訓してやる。」

そんな彼の少し可愛い笑顔に...ドキッとなんかしてないんだからねっ?!←すみません、今のはわざとです。
それから、私は彼の目を見て言いました。

「えぇ、望むところだわ!」

と。
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