【続】キミとひとつになれたら





「四ノ宮、くんっ……」



結構深く刺したのに。
何でピンピンしてんの?




「あれくらいの傷、たいした事ないよ。小春ちゃんは優しいから、手加減したんでしょ?」



そんな事してない。
思い切りやったのに。



やっぱり、私の力じゃ四ノ宮くんはどうにもならない……。




「今までそばにいれなくて、いっぱい寂しい思いさせたから。怒ってるんだよね?本当にごめんね?もっと早く小春ちゃんのそばに戻りたかったんだけどね」



ギュッと、彼の腕が容赦なく私の体に回されて締め付ける。


苦しい。
潰れて死にそう。



「離して……さっさと、離れてよ」


この人は、麻衣を殺した。
いろんな人を殺した。
凛花ちゃんの事も傷つけた。



今となっては、憎くてたまらない人。


抱きしめられてるだけで、ものすごい嫌悪感を抱いてしまう。




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