【続】キミとひとつになれたら





「私、あの頃は彼の隣だけが居場所だった……。誰からも必要とされなくて、辛くて……」


「……小春」


「でも彼は違った。彼だけは私を必要としてくれた。四ノ宮くんに出会って、初めて思ったの。私……生きててもいいんだって」



四ノ宮くんも。
河瀬ちゃんも。
互いに大きな孤独と闇を抱えていた。



だからこそ、お互いに分かち合う事ができたんだろうね。




とにかく。
今、彼女がすべき事は1つ。




「河瀬ちゃん、キミは一度、四ノ宮くんとじっくり向き合うべきだと思うよ?キャーキャー言って拒絶してちゃダメ。いい機会だよ。2人きりで、ゆっくり話をしな」



翔はさっきから、ズバズバ言う俺を睨んでる。


キミも……。
本当に溺愛してるんだね、河瀬ちゃんを。



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