【続】キミとひとつになれたら




私は何も言わずジッと彼の腕の中にいた。


静かな空間に2人きり。
時間が止まったみたいに感じた。



私って結局甘いのかな?
せっかく拘束したのに。
自分の手で彼を自由の身にするなんて。




「小春ちゃん……」


「……」


あんなに、この人に怯えてたのに。




「愛してる。小春ちゃん」


怖いのに。
憎い人なのに。
あんなに、憎悪を感じてたのに。



なのに私……本当はこの人の事、心の底から憎み切れてなかったのかな……?




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